「背景だけドバイ」にしたら無意味だったので、 弁理士研究所で、胡散臭いブランディングを脱臭します
Substackアカウント探訪No1:山田龍也|弁理士・ネームチェンジャー®
「クロ。今日は、ちょっと怪しい場所へ行くよ」
朝からギターケースを背負った私は、スマホの地図を見ながら歩いていた
画面には、魚のマークとともにこう表示されている
現在地:🐟謎エリア
🐈⬛「“怪しい場所”って自分で言ってるけど、大丈夫なの?」
🎧️「大丈夫。参加者本人がジャンルを謎エリアにしてるから」
🐈⬛「それは安全の保証にならないね」
目的地に着くと、銀色の配管に囲まれた巨大な建物が現れた
入口の看板には、
知的珍味研究所
胡散臭い言葉、引き取ります
と書かれている
🎧️「ここだ!」
扉を開けると、黒いタートルネックにグレーのスーツを着た男性が、穏やかな笑顔で待っていた。
片手には🍰ケーキを持っている。こちらにくれる気はなさそうだ。
🍰「ようこそ。弁理士・ネームチェンジャーの山田龍也です」
「弁理士……?」
わかモンがクロへ小声で聞く
「弁護士を、もう少し理系にした感じ?」
🐈⬛「本人の前で雑に分類しないで」
そもそも、弁理士とは?
弁理士は、発明、商品やサービスの名前、ロゴ、デザインなどの知的財産を扱う専門家だ
新しい技術を守る特許
商品の見た目を守る意匠
商品名やロゴを守る商標
そうした権利を取得する手続きや、知的財産を事業でどう活用するかを支援している
🎧️「つまり、誰かが考えた大事なものに、ちゃんと鍵をかける人ですね」
🍰「鍵をかけるだけではありません」
山田所長は、研究机に置かれた空の瓶を持ち上げた
「何を守るべきなのか。そこにどんな価値があるのか。それを見つけるところから考えることもあります」
瓶のラベルには、
まだ名前のない価値
と書かれていた
🍰「価値を見つけて、名前を付けて、必要なら守る」
🐈⬛「君のギターにも、練習する価値を見つけてもらえば?」
🎧️「それは発掘難易度が高いから、後日にしよう」
「ブランディング」を脱臭しよう!!
研究所の中央には、大きなガラス容器が置かれていた
中には金色の装飾、高級時計、豪華なホテルの写真、意味の分からない肩書きが詰まっている
容器の名前は、
ブランディング
🍰「この言葉、なんだか胡散臭いと思いませんか?」
山田所長に聞かれ、私は勢いよく手を挙げた
🎧️「思います! 高級ホテルのプールサイドで、飲み物を持ちながら“自由な働き方”って書くやつですよね」
山田さん自身も、そうした“盛るセルフ・ブランディング”が、本来の意味を歪めてしまったと指摘している
🎧️「ごくり……盛るセレブ・ブランディング・・・」
🐈⬛「セルフ・ブランディングだよ」
本来のブランディングは、自分を実物以上に見せることではない
商品やサービスがなぜ良いのか
ほかと何が違うのか
誰のどんな悩みに役立つのか
それを顧客の視点から、等身大の言葉で伝え、信用を積み上げる地道な活動だという
山田所長が装置のスイッチを入れた
ゴゴゴゴゴ……
容器から、金色の飾りや謎の肩書きが吸い出されていく
最後に残ったのは、小さな透明の結晶だった
その人にしかない価値
🍰「大切なのは….盛るというより、掘るんです」
🎧️「なるほど!!そぎとるんですね」
🐈⬛「珍しく正しく理解したね」
🎧️「クロ、私はいつだって理解だけは早いよ。実行方向を間違えるだけで」
🎧️「ところで、とった物。もらっちゃだめですか?」
🐈⬛「はあ……」
地下室で見つけた「闇落ちとまと」
研究所の地下には、名前の付け替えによって見え方が変わった事例が保管されていた
そこでわかモンが見つけたのは、黒い部分のあるトマト
札には、
尻腐れトマト → 闇落ちとまと
と書かれている
見た目の問題から市場に出しにくかったトマトが、「闇落ちとまと」という名前と物語を得て注目された事例だ
ただし、山田さんが重視しているのは、
格好いい名前を後から貼り付けることではない
見た目とは裏腹に甘いという本物の価値と、
商品にもともと眠っていた物語を発見したからこそ、
名前が機能したと分析している
🎧️「弱みの中から魅力を探す……」
私は手帳を開いた
SNS交流が好きだけど疲れる
ギター練習より機材を眺めがち
稼ぐ気は薄いが、稼いでいる人は羨ましい
「できました。今日から私は――」
私は大きく胸を張った
省エネ型・闇落ち・羨望系クリエイター
🐈⬛「弱みを並べただけだね」
🎧️「でも、珍味感は出たよ?」
開かずの記録庫
さらに奥の扉を開くと、棚いっぱいの研究記録が並んでいた
それは、山田さんが弁理士になるまでの長い試験期間の記録だった
何度も挑戦を続けたことだけを聞けば、努力を続ければ夢はかなうという話に見える
けれど、本当に重要なのはそこではない
自分では知識の問題だと思っていたが、外から文章の組み立て方を指摘されたことで、努力の方向を見直した
山田さんの発信には、ただ続けるだけではなく、うまくいかないときには見方や方法を変えるという考えが流れている
だからこそ、自分では見えなくなった商品や人の価値を、外側から見つける仕事につながっているのだろう
🎧️「つまり、自分だけで考えていると、自分の良さも問題点も分からなくなる?」
🍰「そういうことはありますね」
私はクロを見た
🎧️「クロ。私の改善点を客観的に教えて」
🐈⬛「押してはいけないボタンを押さない」
🎧️「もっと創作的なところで😓」
🐈⬛「君はまた盛るのかい?」
押してはいけないボタン
そのとき、部屋の隅で赤い光が点滅した
一瞬で成功者っぽく盛るボタン
使用禁止
山田所長が振り返る
🍰「それは研究用なので、絶対に押さないでください」
🎧️「なるほど」
ポチッとな
🐈⬛「押すと思った」
光と煙が研究所を包んだ
次の瞬間、背景だけがドバイの高級ホテルへ変わった
わかモンの服装はいつものパーカー
足元もいつものサンダル
しかし胸元には、
世界観プロデューサー
次世代型表現者
音楽的価値創造家
猫共生型クリエイター
ほぼ人気者
という肩書きが大量にぶら下がっている
🎧️「どう? ブランド力、上がった?」
山田所長が虫眼鏡で、私をじっくり見て
🍰「まず、何をしている人なのか分からなくなりました」
クロがホテルと研究所の境目を前足で触る
🐈⬛「背景だけは成功してるよ」
脱臭装置の画面に、判定結果が表示された
胡散臭さ 98%
🍰「とちらにしても、良いサンプルがとれました。ニコリ🥰」
🎧️「え……..😙」
本日の探検土産
山田所長は、わかモンに付いていた肩書きを一枚ずつ剥がした
最後に、小さな札を一枚だけ残す
猫に演奏を妨害されても、翌日またギターを持つ人
派手さはない
けれど、それは間違いなく、わかモン本人の中にあるものだった
今回の探検土産は、
盛るより、掘る
ブランディングは、存在しない魅力を作ることではない
すでにある価値を見つけ、相手に伝わる言葉へ整え、必要なら名前やロゴを財産として守りながら育てることだ
研究所を出たあと、私はプロフィールを書き換えた
猫に邪魔されても、翌日またギターを持つ人
クロが画面をのぞく
🐈⬛「うん。これは君らしいね」
🎧️「でも、少し地味だから背景だけドバイに戻していい?」
🐈⬛「何も脱臭されていなかったな……」
🎧️「あっ!!結局スイーツ食べそこねた!!」
🐈⬛「〆切りすぎてたからね」
🎧️「また今度か〜」
というわけで、Substackアカウント探訪の第1回目は、
さんでした。
個人的にも非常に興味深い記事が盛りだくさんの内容でした。
今回、企画を発表したら、1番に名乗り出て頂いたこと本当に感謝です✨️
こういう企画は、最初の人をつくるのが、一番大変なので、そうした気遣いとても嬉しかったです🥰
わかモンとクロのSubstackアカウント探訪では、まだまだ参加者を募集してます!!
あなたのアカウントの魅力を漫画と記事でご紹介!!
条件は、「1つ以上記事を書いていること」のみです
初心者・初見の方も大歓迎!!
ぜひ、あなたのお宅に、わかモンとクロを呼んで頂けませんか?
申し込み方法等の詳細は、記事にて紹介しております。
まってま〜す










私は元々、山田さんの記事が持つ「飾らない言葉で物事の本質を捉える視点」が好きで拝読していました。
なかでも「闇落ちとまと」の記事のように、一見すると欠点に見えるものの中に眠る物語を見出し、言葉で価値へと昇華させていく思考には深く感銘を受け、そして励まされもしました。
山田さんの記事に眠る深いロジックや価値観が、わかモンさんという表現者を通すことで、より多くの人の心へ自然に届く形になって広がっていく。
その伝わり方にとても温かいものを感じました。
山田さんのリスタックをきっかけにわかモンさんの企画を知り、私もお願いすることになったのも、彼のファーストペンギンスピリットあってこそです。
素敵な思考をいつも届けてくださる山田さんと、それを可視化して広げてくださったわかモンさん。
お二人のおかげでこの企画に出会えたことに、深く感謝いたします。
山田さん、わかモンさん、そしてこの記事を読むすべての人に、深く温かく届いていきますように✨